美術館・博物館・資料館
Museum ⁄ Art MuseumIPMによる文化財虫菌害管理
重要な価値を持つ文化財保護の一環として、総合的有害生物管理(IPM)による文化財虫菌害管理をサポートします。
定期的に害虫や微生物の生息・環境調査を行い、調査結果に基づいて薬剤噴霧、清掃等の対策につなげるための提案をおこなうものです。
01東洋産業のIPM
文化財に危害を与える生物
価値の高い文化財を脅かす虫やカビには、たくさんの種類がありますが、いずれも日常は目につきにくい(見えない)ものばかりです。
文化財が虫やカビなどの生物による損傷をうけないようにするためには、文化財の保管スペースがどの程度リスクをはらんでいるのか、専用資機材などによる継続的な観測を行う必要があります。
東洋産業のモニタリング調査
東洋産業は、長年にわたって虫やカビのモニタリング調査をおこなっており、蓄積されたノウハウを活用して精度の高い調査を実施します。
また公益財団法人文化財虫菌害研究所が推奨する「文化財IPMコーディネータ」の資格取得を推進するなど、技術力の維持向上に努めています。
調査結果に基づく提案・施工
調査結果でリスクが確認された場合、または環境としてあらかじめリスクに備えておいた方が良いと判断された場合、専門家として様々な対策の中から状況にあった最善の対策をご提案します。
また美術館や博物館など規模の大小を問わず、長年にわたって清掃や殺虫施工などを含めた対策に関しても、豊富な実績を積み重ねています。
02主なモニタリング調査
トラップ調査
トラップの常時配置により潜伏している害虫を捕獲し、数量や種類をモニタリングします。
ダスト調査
収蔵庫や展示室の床隅に残るダストを収集して、シミ、チャタテムシ、ダニなどの生息調査を行います。
ふき取りカビ調査
綿棒ふき取り法により、重要な保管場所やカビの顕著な場所の調査をおこないます。
落下カビ調査
寒天培地を用いて空中から落下するカビの調査をおこない、空間内の経時変動を把握します。
浮遊カビ調査
エアサンプラーを用いて空調に浮遊するカビの調査をおこない、空間内の状況をより正確に把握します。
その他環境調査
温湿度調査、紫外線調査、酸性度調査など、ご要望に合わせて環境調査を実施します。
03主な対策
除カビ清拭清掃
高濃度アルコールによる清拭清掃をおこなうことで、カビに強く汚染された空間をリセットします。
書籍等の除カビ清掃
書籍等に発生したカビを丁寧に除去し、アルコール殺菌します。
殺菌剤空間噴霧施工
高濃度アルコールを、引火性を持たない安全な状態で噴霧することにより、文化財保管環境を一斉に殺菌消毒します。
殺虫剤空間噴霧施工
拡散性の高い殺虫剤(炭酸ガス製剤)により、文化財保管環境を一斉に殺虫消毒します。
ガス燻蒸施工
浸透性の高い燻蒸剤(エキヒュームS)を用いて、殺虫・殺菌施工を広範囲かつ効果的におこないます(2025年3月まで)。
設備改善工事
昆虫類の侵入を防ぐための閉塞工事や温湿度改善のための空調工事など、環境改善工事をおこないます。
04IPM・文化財保護対策の導入実績
導入いただいたお客様 | エリア | 実績 |
---|---|---|
資料館、博物館、美術館 | 関西・中国・四国地方 | これまで公共施設約100館、民間施設約20館の実績があります。 |
神社、仏閣 | 関西・中国・四国地方 | これまで多数の実績があります。 |
05文化財IPMの流れ
文化財が保管されている状況を現地で確認し、過去の被害事例の有無なども踏まえて状況を正確に把握します。
現地調査結果を踏まえて、有効なモニタリング調査及び対策の組み合わせをご提案します。
モニタリング調査(定期定点調査)をおこない、虫及びカビの問題が発生していないかを把握するとともに、問題解消のための改善手段をご提案します。
お客様にて清掃・物理的対策など必要な対策を講じていただくとともに、大掛かりな清掃・薬剤処理などを弊社にて実施します(都度お見積りとなります)。
次回モニタリング調査により、対策の効果を確認するとともに必要に応じて追加対策をご提案します。