2011年9・10月度セミナーseminar
製品への異物混入事故は多様です。その中で虫や微生物等の生物異物は依然として大きなウェイトを占めていますが、その制御方法は多種多様で、どこまでやればよいのかもよくわかりません。効率的で自社にあった手法を確立するには、その手法が適切であるという「根拠」が重要であり、また生の「事例」はそれだけで学ぶところが多いものです。今回は、その「根拠」と「事例」に重点をおいたセミナーを開催しました。
開催日:2011年9月28日(水) / 2011年9月29日(木) / 2011年10月26日(水)
会場:大阪、広島、東京
受講者の声
セミナー後にお客様からいただきましたご意見・ご感想の一部を紹介いたします。
- 異物の同定について、重要性は認識していたが、講演を聞き再認識することができた。
- 具体的事例や見落としている注意点などが明確になった。
- 食品認証制度について、日本とグローバルスタンダードの違いを認識できた。
- 異物混入に対する視野が拡大できたと思う。
- 効果的な作業には手順を守る事が重要だと感じた。
- 製造ライン、室内への殺菌、特に芽胞菌への殺菌効果に興味を持った。
- 問題になる虫や対処方法等理解を深めることが出来た。
- どうすれば虫が発生したり、虫が侵入するのか勉強したので、防虫に努めていきたい。
- 思い当たる部分が多々あり、今後の業務に活かしていけたらと思う。
講演内容
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■講演1■ 事例解説~異物解析による再発防止
製品異物が発生した場合、それが何かを検査することは当然のこととして、何が原因で、どこで混入しているかを推測しなければ再発防止はできません。しかし、その検査だけで原因の特定につながらない場合もしばしばあります。本講演では、演者がこれまで多様な異物分析を行った実績を活かして、実際の異物の中身や、異物の分析から発生原因の特定に至るまでの事例を紹介し、異物を再発させないための分析を適切に行うための手順や手段について解説しました。
■講師■
東洋産業株式会社 高橋 宏英 -
■講演2■ 事例解説~科学的根拠に基づく洗浄・殺菌のテクニック
製品の微生物危害、汚れによる異物等の問題を防ぐ手段として、洗浄・殺菌が重要であることは言うまでもありません。しかし実際の現場では、洗浄・殺菌の妥当性について検証がきちんと行われないまま実施されているケースも多く見受けられます。本講演では、演者が製造現場で経験した様々な洗浄・殺菌事例を紹介するとともに、そこで得られた実際的で有効な洗浄・殺菌の方法や注意点について、研究に基づくデータを組み合わせて解説しました。
■講師■
岡山県工業技術センター 福﨑 智司氏 -
■講演3■ 防虫管理の将来像 ~各種国際食品安全基準にみる防虫管理の在り方
各業界(食品メーカー、販売店等)が運営するGFSI(Global Food Safety Initiative)を元にいくつかの食品安全基準が認証されつつあり、今後日本においてもこれらの基準が標準として取り扱われることが考えられます。いずれの基準にもペストコントロールは必須条件となっていますが、具体的にどのような要件が要求されているかを紹介し、これからのあるべき防虫管理の在り方を探りました。
■講師■
環境生物コンサルティング・ラボ 平尾 素一氏 -
■講演4■ 最新の防虫管理技術~その手法と事例
食品や医薬品、包装材料等の製造工場では、昨今、化学的手法を中心にその方法の選択肢が大幅に減っており、その中で安全かつ効果的な防虫を行わなければならない現状があります。また、対外的にその妥当性や安全性を保証する必要もあります。本講演では、現在採用されている防虫手法の中から、予期しない発生や侵入が起こった際の原因特定事例や、その問題を解決するための防除事例、また各防虫関連メーカーから集めた最新情報を紹介し、そこから得られた効果や安全性の根拠を解説しました。
■講師■
東洋産業株式会社 羽原 政明